好きのおもさ
「れおと、何番だった~?」
クラスの女子が、宇川くんに話しかける。
「ん~?
20番だった」
彼は20番か。
ん? 座席表を見る。
彼は私と真反対の席。 廊下側の1番前の席だった。
これはこれで嫌だ….
同じ横一列とか….
「お~し!
みんなクジを引いたみたいだな!
移動を始めてくれ。
クジを変えるのはダメだからな。ズルをせずに、ちゃんと公平にいけよ」
と、先生の言葉を合図にみんなが立ち上がり、席を移動し始めた。
「おまえは何番なんだよ?」
宇川くんが話しかける。
「1番」
「そっか。
おまえも一番前なんだな」
ここで笑顔を見せる宇川れおと。
何なんだ? 気持ち悪い。
ぶっきらぼうに返事をして、すぐさま宇川くんから離れた。