好きのおもさ
新山さんと朝壬さんが私の席を囲む。
そして新山さんは私に言った。
そんなこと言わないで欲しいのに。
「う、うん. 優勝出来るといいね」
カバンに目をやり続け、帰る支度ができたら席から立ち上がった。
「待って!!まだ私、加奈ちゃんに言いたいことがある!!」
焦って新山さんは、私を止める。
その新山さんを私は止めることができず、彼女の言うことに従ってしまう。
「何?」
「体育大会終わった後、クラスみんなで打ち上げしようと思ってるんだ。
だから加奈ちゃんもおいでよ」
朝壬さんから声がかかる。
打ち上げ…? そんなのしないでいいよ。
「負けてもみんなで盛り上がるの?」
「え、そりゃまぁね」
私の問いに戸惑いながらも答える新山さん。
「とにかく!!勝敗関係無く、体育大会の後でみんなで打ち上げするの!!
ね、加奈ちゃんも来てよ!!
クラスみんなが来るんだからさ」