好きのおもさ

新山さんと朝壬さんが私の席を囲む。


そして新山さんは私に言った。



そんなこと言わないで欲しいのに。



「う、うん. 優勝出来るといいね」



カバンに目をやり続け、帰る支度ができたら席から立ち上がった。



「待って!!まだ私、加奈ちゃんに言いたいことがある!!」



焦って新山さんは、私を止める。



その新山さんを私は止めることができず、彼女の言うことに従ってしまう。




「何?」



「体育大会終わった後、クラスみんなで打ち上げしようと思ってるんだ。


だから加奈ちゃんもおいでよ」



朝壬さんから声がかかる。




打ち上げ…? そんなのしないでいいよ。



「負けてもみんなで盛り上がるの?」



「え、そりゃまぁね」



私の問いに戸惑いながらも答える新山さん。



「とにかく!!勝敗関係無く、体育大会の後でみんなで打ち上げするの!!


ね、加奈ちゃんも来てよ!!


クラスみんなが来るんだからさ」



< 195 / 471 >

この作品をシェア

pagetop