好きのおもさ

「ちょっと付き合ってよ」



中島くんの誘いを私は断れない。



言われてついて行くと、またもや屋上に連れてこられた。


午後の授業が体育だったため、今も体操服のまま。



お陰であの時のことが、より連想しやすくなる。



「俺たちと仲良くしてくれんの?」



柵に身を任せている白川さんと中島くん。


その内の中島くんが聞いた。



「わからない…」



正直、中島くんの質問の答えを、まだ正確に出し切れない。



「わからない? そんなんであたしたちが許すと思う?


いい?立山さんは本来、あたしたちに許される存在じゃないんだよ。



本当は毎日ひどい目に遭い続けなくちゃいけないんだよ。


だけどあたしたちはその選択をしてない。



友達になるって簡単な方法を選んであげた。



それなのに、〈わからない〉!?


そんなんで済まされるわけ無いでしょ!?」



白川さんがいきり立つ。



< 197 / 471 >

この作品をシェア

pagetop