好きのおもさ
中島くんは黙る。
「どうすればわからないよ。
傷つけた相手にどう謝罪すればいいのか。
そんな風に仲良くするように頼まれても、こっちが困る。
自分が与えた危害を、どう修復すればいいのかわかんないよ…」
自然と屋上の床を見てしまう。
相手の顔が見れない。
「だからそれを言ってんだろ!?
おまえがその事を気にせずに、自分のやり方で直そうとすりゃいいんだよ!!
そうすればかまい無く、おまえを恨むことができるんだから」
2人が考えることは一致している。
でもその理論は間違ってると思う。
だけどそれを私が否定出来る権利が無い。
なぜならその2人が考える理論を考えさせたのは、この私だからだ。
「それが…わかんない」
「ちっ」
私の物分かりの悪さに苛ついた中島くんは、私の腕を掴んで引っ張った。
何をされるのかわからぬまま、私は中島くんの後を追った。