好きのおもさ
端の近くまで連れてこられた私。
もしかして私はこのまま投げられるんじゃないのか。
大げさかもしれないけど、そんな考えしかできなかった。
「ほら!!」
端っこの柵に押されて体がぶつかる。
痛みを感じていると中島くんが言った。
「顔を上げろよ!!
いいか!!おまえはあの時…事件の時、ここで友広といたんだ!!
目的を果たし、息抜きか何かは俺たちにはわかってないが、おまえと友広はデパートの屋上にいたんだ!!
そうだろ? 思い出せ、その光景を!!
楽しかった部分を思い出せ!!!」
こんなに間近で怒られるのは初めてで、恐怖感が生まれる。
だけどそれを押しのけ、中島くんの言う通りにする。
あの時、友広くんと屋上にいたことを。
楽しそうに遊具で遊ぶ友広くんの姿が甦る。
『あたしはいい』と言って、友広くんは1人で楽しく遊具で遊んでいたんだ。
中島くんの言う通り思い出していると、過去に背けたくなる。