好きのおもさ
足に力が抜けて、視線が低くなる。
「ちゃんと向き合えよ、自分の過去に。
立山さんが起こしたことなんだから!!」
私の所に向かってくる白川さんは言う。
「俺は今日の所はここでいいと思うよ。
まだまだ痛めつけれる日は十分にあるんだし。
どうせ今日思い出した所なんて、何度も何度もコイツの中では回想されてそうだし。
じゃぁな」
満足した表情で私を睨みつける彼。
「そうだね、また今度もできるし」
彼の意見に賛同して屋上から出ようと、私から離れていく2人。
「じゃあな、「加奈ちゃん」」
中島くんが屋上のドアのノブを持つと、私に挨拶をする。
私の呼び名の所を2人で息を合わせて言う所が、私を苦しめている気を突きつけられている。
私は屋上から見える景色を少しだけ眺めた。
それからここから立ち去ろうとした。