好きのおもさ
小さな声でぼそりと言ったつもりなのに、白川さんにはっきりと聞こえていたみたいだ。
「そんな照れなくてもいいのに!!
それにしても競技の前の先生からの指導って、長いよね」
私に気兼ねなく話している白川さんに、疑問を抱いてしまう。
「それにしても、暑いわ。
今すぐにでも横になりたいわ」
勝手に寝ればいいじゃん、と思い私は白川さんを当てにしなかった.
ようやく選手が入場した。
ここで白川さんが盛り上がる所なんだけど…
一向にテンションが上がる気配がない。
ちらっと白川さんの方を見てみると…
少しだけ呼吸が荒くなっていた。
心配の一言でも書けようかと思ったけど、何となくやめた。
少しずつ選手たちが走り始めている。
スタートの合図が何度も鳴っている。
どさっとする音が隣から聞こえた。
不思議に思い、そちらの方を見てみた。
「え?!
どうしたの?」
なんと白川さんが倒れていた。