好きのおもさ
先生は冷凍庫から氷を出している。
私はそんな先生の姿をじっと見ている。
氷の準備ができた先生は、白川さんの方に近づいて氷を規定の位置においていく。
「じゃあ私はこの子を見ているから、あなたは戻ってなさい」
白川さんの体に氷を置き終わった先生は、私に指示した。
だけど私は先生の言うことに従いたくない。
「先生がテントの方に戻っといた方がいいんじゃないんですか?
またいつ生徒が異常を起こすかわからないし。
私は白川さんの事が心配ですし、この後そんなに出る競技もありませんから」
無理に先生を説得させる。
なぜならもう私は体育大会に参加したくないからだ。
これでも結構頑張った方だ。
「仕方ないわね。
じゃあ先生はテントの方にいるから。
何かあったら、すぐ私にいいに来なさいね」
というと先生はドアの方に向かい、保健室を後にした。
ふぅーとため息をつき、その辺にある椅子に腰掛ける。
頭に巻いていたはちまきを取る。
ついでに白川さんのはちまきも取った。