好きのおもさ

先生は冷凍庫から氷を出している。


私はそんな先生の姿をじっと見ている。



氷の準備ができた先生は、白川さんの方に近づいて氷を規定の位置においていく。



「じゃあ私はこの子を見ているから、あなたは戻ってなさい」


白川さんの体に氷を置き終わった先生は、私に指示した。


だけど私は先生の言うことに従いたくない。



「先生がテントの方に戻っといた方がいいんじゃないんですか?


またいつ生徒が異常を起こすかわからないし。


私は白川さんの事が心配ですし、この後そんなに出る競技もありませんから」



無理に先生を説得させる。


なぜならもう私は体育大会に参加したくないからだ。


これでも結構頑張った方だ。



「仕方ないわね。


じゃあ先生はテントの方にいるから。


何かあったら、すぐ私にいいに来なさいね」



というと先生はドアの方に向かい、保健室を後にした。



ふぅーとため息をつき、その辺にある椅子に腰掛ける。


頭に巻いていたはちまきを取る。


ついでに白川さんのはちまきも取った。



< 207 / 471 >

この作品をシェア

pagetop