好きのおもさ
これからが楽しみだって、蔑むんでしょ。
嫌だ。 聞きたくない。
「じゃあな」
宇川くんは私に気を浸かってこの場から去ろうとする。
「ごめん…」
小さな声で私は呟き、先に靴に履き替えている宇川くんに追いつくように靴を履き、宇川君の手を引いた。
焦って校舎内から出ている私たちの姿を見ている白川さんが、歪んだ顔で舌打ちをしているのも知らず。
私はただ目の前の現実から逃げていった。
「いいのかよ?!」
私に手を引っ張られていた宇川くんは、聞いてくるが困ってない。
『好きな女には尽くすタイプなんだよ。
バカみたいにそこは頑張ろうとするんだよ』
不意に部分的に敦史くんから言われたことを思い出す。
その瞬間思いっきり手を離した。
宇川くんより前に出て、ガクッと膝を曲げた。
「どうしたんだよ?!
おまえ今日変だぞ?!
午後の授業の時なんか、お前の魂抜けてんじゃねぇのか?くらい、おかしかったし」