好きのおもさ

「おまえに何が起こったのかしらねぇが、俺はおまえに学校が毎日楽しいようにしてやる!


明日が来るのを楽しめるようにしてやる!!」



なに・・・ この人.  なに言っちゃってんの.  そんなこともう誰にも出来ないよ.



宇川くんに宣告されて受けた第一印象は、これだった.



だけど心が少しだけ動いた気がした.



少しだけ私の未来が明るくなった気がした.




「おいおまえら!!

いつまでそこにいるんだよ?!


早く教室の戻らんか!!


HR終わったぞ!」



私の担任の先生が教室から声を張り上げて、私達に呼びかけた.


このタイミングで私達に叫んだってことは、もうすぐで授業が始まるってことなんだね.



担任の先生の呼びかけで、彼も手を急いで放してくれた.


きっと今まで掴んでいたのを忘れてたんだろう.


・・・それくらい、熱心に私のこと考えてくれたんだね.



でもそれがいつまで続くか・・・


きっと一時的な感情だよ.


まだ入学して1ヶ月くらいしか経ってないし.


もっても7月くらいまで.



夏休みが終わったら、彼どころか、みんなも変わっちゃうだろう.



それまでの辛抱だ.  頑張ろう.

< 30 / 471 >

この作品をシェア

pagetop