好きのおもさ
「本当にお前…文化祭、参加しねぇのかよ?」
哀しそうに言う宇川くんに、手の動きが止まる。
「その方が…クラスのためだから」
私も宇川くんみたいな感じで、発言する。
「本当にいいのかよ、それで。
立山…自分の意見が通った時、ものすごく嬉しかったんじゃねぇのかよ?
少なくともお前の表情、輝いてたぞ。
あんなことで自分の気持ち、押し込んでいいのかよ」
宇川くんの言葉が胸に刺さる。
「仕方ないよ…
もう私は…あの場所に居場所、無いんだから」
「そんな事…」
「ごめん!!頭痛がするから、もう家に入るね」
鍵を回して取り外す。
宇川くんとの会話を強制終了した私は、家に入るとすぐ鍵をかけた。
少しすると宇川くんがここから去る足音が聞こえた。
宇川くんの引き止めてくれる気持ち、わかってる。
私だって出来ることなら…。
でも無理なんだ。
だって私は…心の底から笑うこと、許されない人間なんだから。