好きのおもさ
だから私は2人の力を借りようとしない。
「薄れゆく意識の中私と逃げてた子、倒れた時なんて言ったと思う?
自分なんか気にしないでって感じで、『約束…守ってね』て言ったんだよ!!
あの時小学生だった自分に、そう言われたら何ができると思う?
ーーー何もできないんだよ。
悔いながらその場を後にするしかできないんだよ」
あの時の私は何が正解だなんてわからなかった。
逃げることが間違いだってことも、十分わかってた。
だけど私は無知の状態だから。
不正解だとわかってても、逃げたんだ。
クラスの人々もそうじゃないか。
1人でも仲間割れすることが正しいことじゃないってわかってても、そうし続けるんだから。
2人の雰囲気は重くなる。
宇川くんは私たちの中に入ろうとしなかった。
そして私はそっぽを向いている。
「大丈夫。
文化祭終わったら、ちゃんと来るから。
どんなに辛いことがあっても、学校に行く。
…じゃないと、あの子が悲しむだけだから」