好きのおもさ
「頼むよ、来てくれ。
本当は今日、智美たちも来るはずだったけど、準備が忙しくて。
な?お願い、来てくれよ」
宇川くんの目が真剣になる。
そこまで頼まれると、私は断れなくなる。
どうして…今までだと平気で断ることができたのに。
「こんなに俺が頼んでるのに、無理なのか」
…そういう一言は要らないと思うけど。
「何でよ…何で私、宇川くんの頼み断れないの」
下を向き手を頭にやる。
宇川くんは私が言ったことを理解すると、喜んでるみたいだ。
「断らなくていいからさ」
そう一言だけ言われた。
「…わかった…。
明日、ちゃんと学校に行く」
すると向かいに座っていた宇川くんが,立ち上がる。
どこに行くのかと思うと、隣に来た。
何をされるのかわからなかったから、普通にまだ下を向いている。
「心配するな。お前は1人じゃない」