好きのおもさ
「気になるんだったら明日来ればいいじゃねぇか。
あそこにお前の居場所、あるんだから」
そう言い終わった彼は靴を履いて、玄関の扉を開けた。
私の返事を待ってたのか、こちらを一瞬見て私の様子を確認すると、
黙って私の家から出て行った。
…何でそんな家の出方するの…。
前までだと、はっきりと私に言ってからその場を去っていたのに。
いつからそんなずるくなったの。
宇川くんがいなくなった家は、何だか寂しかった。
一人取り残された私は、座椅子の方に向かって座り込む。
明日学校に行っても大丈夫なのかな。
一人、心の中に問いかけてみる。
返事がないのはわかってる。
それが虚しい。
…宇川くんのせいだ。
前まではこんな思い、しなくて済んだのに。
あいつのせい…。
『仕方ねぇじゃねぇかよ!!
…好きになっちまったんだから。
余計に関わりたくなるんだよ!』