好きのおもさ

朝自習の時間が終われば、一日の予定を伝達しに担任が教室に入ってくる。


私の存在を確認すると、口元が緩んだみたいだった。




「おはようございます」


その一声で担任は話し始めた。



「…それから立山!

今日の昼休み、先生の所に来なさい。  以上!」



担任が私の名前を呼び、朝の時間を締めくくった。



それから各自、授業の準備を始めたのであった。




「加奈ちゃん!! 今日の放課後、直ぐに帰ったりしないよね?」


4時間目の前の休み時間。


「お腹減った」との声が聞こえる中、朝壬さんは私に話しかけてきた。



放課後…


いてもいいのだろうか。



ふとまた宇川くんの方に目を向ける。


すると彼は友達と楽しそうに話していて、こちらの視線に気付いてないようだ。




「お願い!! 私といて!!


もちろん、智美とも」



ここに来てまでも、断る理由を探している自分が居る。



その事にやっと後悔することができた。



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