好きのおもさ
それから時にクラスを気にし、時に自分の世界に入ったりして…
放課後を迎えた。
帰りの準備をしている私に、新山さんと朝壬さんが私の席を囲んだ。
「加奈ちゃん、今日は舞台での最終確認だから。
準備が出来たら行こう!!」
新山さんが笑顔で言う。
対して私はまた小さな声で返事をする。
ぞろぞろと体育館に向かってる人がいる。
それを見た私は、まだ帰り支度が終わってないのに体育館へ向かった。
「加奈ちゃんは本番、ここの舞台袖でみんながやってるのを見てるだけでいいから」
朝壬言われ、私は舞台袖でみんなの確認している風景を見る。
本当に私がいない中、違うことに取り組んだんだって思う。
ずっと見入ってた。
「俺たちはちゃんと、みんなで協力してきたんだ」
すると後ろから声がした。
昨日からもっと聞きたいと思ってた声。
それは宇川くんの声だ。
振り向く私。