好きのおもさ
部活生でもほとんどの人が立ち入らない場所。
さっきここで発表が行われたといのに、今はもぬけの殻。
私…やっぱり助かる見込み無いや。
友広くんはどんなつもりで逝っちゃったのかな。
きっと私を恨む余裕もなかったよね…。
それなのに私に気を遣って、あんなこと言ってくれて…。
本当、優しすぎるよ。
それに対してこいつは、人の命を屁でも思ってない。
「なんだよ、その挑戦的な目は。
こんな状態で俺から逃げ切れるとでも思ってんのか?」
私は思わず男を睨んでいたみたい。
余裕を見せてはいけないとでも思ったのか、また男は私を馬乗りにした。
もう足掻く力すら残ってない…。
「あんたに分かる…?
人の命を奪ってしまった後悔が。
どれだけ人の命が大切なのか。
子供の頃から教えてもらってたんじゃないの?!
私は…ある時をきっかけに、命がどれだけ大切か痛いほどわかるようになった…。
大人のくせにあんたは、そんなこともわかんないの?!」