好きのおもさ
「ん~。 うう…。 ん~ぅ」
無意識のうちに姿勢を動かす。
どんどん意識が覚醒する。
そして目を開く。
また自分は生きてるんだ!! そう奇跡に思う。
「あ、立山が目を開けた。
大丈夫か?」
そんな声が聞こえる。
どうやら自分はベッドの上で寝てたみたいだ。
『俺さ~どうせ人が死ぬんだったら、思いっきり苦しんでる所見たいんだよね。
だからまだ生かしてあげてるんだ~』
さっき声を出した宇川くんの後ろから、そんな声が聞こえた。
「いや!!!!」
ものすごい勢いで毛布を頭までかける。
私は生きてる…。 そしてあの男が近くにいる。
また傷つけられる。
そんな思いが消えない。
怖くて怖くて涙が出る。