好きのおもさ
「立山、俺だよ俺!!宇川!!
もう奴の姿は無い、大丈夫だ!!」
彼が無理やり私が被っている毛布を剥がそうとする。
そう言ってくれるものの、怖くて毛布を離すことができない。
「怖がらなくて大丈夫。
非常事態になったら、俺が援護してあげるから」
そういう言葉を信じて、私は少しだけ毛布から顔を出す。
確かに、この室内には宇川君と私しかいない。
それが分かると、毛布を首の所まで下げた。
「どこ…? ここ」
見知らぬ場所が私の目に映し出す。
だから私は彼に聞く。
「病院」
そう言うと彼は私が横になってるベッドに、キシっと音を鳴らして座ってきた。
かと思えば。
「怖かったろ…」
そう言って優しく私の上半身を持ち上げ、抱きしめた。
何してんの…と思ったのも一瞬。