好きのおもさ
次の瞬間には、腹や肘に痛みが走った。
「あ、わりぃ。
お前怪我してんだな」
やっぱりやめた方がいいな、という感じで私の体を綺麗に横にしようとする。
だけど私はそうはさせなかった。
自分から腕を彼の肘に回して、さっきの態勢に戻した。
「立山…?」
驚く宇川くん。
それもその筈だ。 私がこんなことするキャラではないからだ。
「少しだけ…こうさせて」
ダメだよ…こんなことしたら。
自分を甘やかしたら、ダメになる。
涙を少し流してるのにも関わらず、そう心では思ってる。
彼から離れることができない。
そんな私を宇川くんは黙って包み込んでくれている。
姿勢に限界が来ると、私は元の位置に戻る。
肘と腹に巻かれた包帯。
そして制服姿の宇川くん。
もしかして一晩中いてくれたの?
「1回帰ったら?」