好きのおもさ
「でも俺、立山のこと心配」
椅子に座りながら彼は言う。
「大丈夫。ここは病院でしょ?
怪しい人なんて誰ひとり来ないんだから。
それに非常事態の時は、援護してくれるんでしょ?」
彼に重荷を背負わせてるのはわかるけど、今の自分ではこんなことしないと安心できない。
「30分以内に必ず戻ってくる!!
だから絶対安静しとけよ!!」
宇川くんはそう残すと、ものすごいスピードで病室を後にした。
一人になる病室。
毛布をどけ体を起こす。
肘と腹がヒリヒリと痛む。
どうして肘が痛むんだろう。 どうせあの男が切りつけたんだろうな。
巻かれた包帯を見る。
ちゃんと治療されたあとも見られれば、血が滲んでる所もある。
あの男の尋常さが窺えるよ。
そうして私はベッドに体を預けた。