好きのおもさ
「チッ。邪魔が入ったか」
そんな声が聞こえ、俺はさらにこの男を不審に思う。
「立山に、何したんだよ!!?」
暗い中でいまいちよく状況を掴むことができない。
「お前がともひろか?」
男は蔑むように、立山とともに立つ。
そして彼女を人質に取る姿勢をする。
ともひろ…? もしかして…あいつ。
「違う、俺は友広じゃねぇ」
「そっか…」
話すことしかできない。
得策を思いつかない。
なぁ立山。おまえならこういう時どうするんだよ…。
とその時。
突如として体育館の灯りが一斉に点いた。
ずっとこの体育館にいたのか、男はかなりの打撃。
誰が味方したのかも考えず、ただ一心に立山を男から離そうとした。
「来るな!!
俺はこいつを殺さなければならないんだ!!」