好きのおもさ
なんて男は馬鹿な事を言う。
「そんなことはさせねぇ!!」
そう言って俺は男に攻撃しようとした。
だけど上手くかわされてしまう。
「れおと!!!!」
後ろの方から声がする。
智美だった。
「何、どういうこと!!?」
今置かれている状況を上手く把握できない彼女。
「うわーぉ。またなんか増えちゃったよ」
そんな呑気な声がムカつく。
「いいか。 俺はお前の前でこいつを殺してやる」
自信たっぷりに言うこいつを、腹ただしく思う。
「できねぇことで俺を引かせようとすんなよ」
これでも俺は懸命だ。
いくら持っている凶器がカッターとは言え、首の脈を切れば一発だ。
油断ができない。
「これが冗談だと思うか? 生憎本当のことだよ。
その証拠にこいつ、意識不明じゃねぇか」