好きのおもさ
そして自分の部屋に戻ろうとした.
「待てよ」
するとさっきまで陽気な雰囲気を醸し出していた宇川くんが、急に真剣な表情をした.
「なに?」
「外・・・さっき雨止んでたのに、また朝のようにざーざー降り始めた.
だから雨宿りさせてくれない?」
宇川くんはまだこの家に居座ろうとする.
嫌なやつだ.
それに、雨なんかやんでなかったと思う.
今日1日ずっと降っていたと思う.
「今日はずっと雨降ってたはずよ.
1つも止んでないと思う」
「だってほら.証拠.
服そんなに濡れてないだろ?」
なんて言うと、濡れてない服を私に示す.
確かに上の方は濡れてない.
しかし服の裾とかズボンは濡れている.
「傘さしたからでしょ」
「いや、見てよ.
ここ濡れてないだろ」
次に彼は右足のズボンを示した.