好きのおもさ
確かに濡れてはいない.
しかし所々集中的に濡れている.
「背中が濡れてない理由は、あの子をおんぶして盾になっていたから.
胸の方が濡れてないのは、少しだけ傘を前の方にさしていたんでしょ?
右足のズボンが濡れてないのは、三希が右足にひっついて歩いたため.
だからあの子の背丈分濡れてない.
その代わり左足の方. ほら見て.濡れてるじゃん.
残念だったね、ウソがバレて」
私はウソを見破り、すぐさま彼に突きつけた.
「お、おまえ・・・
よくそこまで考えられるな.
あー.ウソだよ.雨が止んでたのは.
全部立山が言った通り.
でもさ、もう少しここにいてもいいだろ」
目的はそれだったのか.
何でコイツは、すぐ帰ろうとしないのか.
イライラが蓄積する.
「何でここにいたいの?」
「そりゃーもちろん、おまえといたいから.
立山と居られるなら、俺はどこでも行くぞ」
上機嫌でこんな事を言う.
...あほらし