好きのおもさ
店の近くには4人がもう集まっていた.
朝壬さん、新山さん、宇川くん・・・鴫宮(しぎみや)くん.
おそらく鴫宮くんは、宇川くんの友達だ.
「遅かったねぇ~.
来ないかと思っちゃったよ」
新山さんに言われた.
それにしてもスゴくおしゃれをしている、新山さんと朝壬さん.
私なんていたって普通の格好なのに.
男子もそれなりにカッコつけてる.
まぁべつに洒落る目的で来たわけじゃないけど.
「この辺まだ覚えてないから迷った」
私は正直に遅刻した理由を言うと、宇川くんは影で小さく笑っていた.
彼が笑う理由はわかる.
だけどばかにするような感じで笑わないで欲しい.
横目で睨みながら思った.
「一緒に来ればよかったな」
と、鴫宮くんは言った.
何でこの人、そんなこと言うんだ?
「どうしてトキそんなこと言うの?」
朝壬さんは鴫宮くんに訊いた.