好きのおもさ
鴫宮くんの下の名前、ときって言うんだ.
「だって加奈ちゃんの家の近く、通ったからさ」
え?
まさかこの人私の家知ってるの?
「トキも加奈ちゃんち知ってんだ~
上がったの?」
からかうように新山さんは言った.
「上がんないよ.
だってコイツが、加奈ちゃんち自慢するように教えてくれたんだ」
と、鴫宮くんは宇川くんを指さした.
自慢するように私の家の位置を教えた?
嫌なやつ.
人の家を勝手に紹介しないでよ.
また宇川くんを睨んだ.
若干空気が悪くなったから、宇川くんがようやく口を開いた.
「さ!立山も来たんだし、中に入ろーぜ!」
この場から抜ける意見を言った.
でもみんなはそんなこと気にせず、カラオケ店へ入っていった.
「ララ~ラ~ラララ~」
歌える準備が整うと、新山さんがすぐに歌を入れ朝壬さんと歌い始めた.
鴫宮くんは食べ物を店員に、電話で注文している.