好きのおもさ

4人で机を挟んで座ってる彼らに、私は真ん中の席に座っている.


まぁ祝い事する時に、主役が座る席だ.


男子は男子、女子は女子で隣り合って座っている.



このままひたすら時が過ぎるのを待たなきゃいけない.


学校から出た課題、持ってくればよかったな.


文庫本でもよかったかな.


ハァ.退屈だ.


「そう言えば俺、加奈ちゃんに名前言ってなかったな.


俺は鴫宮時雄.


まぁ今日でわかったと思うけど」


注文を終えた鴫宮くんは、私に自己紹介してくれた.


「トキ、いくらなんでももう1学期が終わったんだよ.


だからもう覚えてるでしょ、加奈ちゃんも」


歌い終わった新山さんが、鴫宮くんにつっこみを入れた.



「そうだよね.

一応言ったんだ」


せっかく紹介してくれた鴫宮くんが、可哀想になってきた.


「覚えてないよ.

クラスメートの名前なんて」


鴫宮くんの恥を払おうと、私は発言した.


「「え・・・・」」


一瞬にして楽しい雰囲気を壊した.


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