(短編)君に微熱
居酒屋近くの自販機で購入した缶コーヒーで指先を温めながら寒さをしのぎ、なんとか帰宅することができた。
おかげで、帰った頃にはすっかりぬるいコーヒーの出来上がりだ。
とりあえず帰宅後はこたつに直行し、体の半分を突っ込んで、あと少しで終わりそうな机の上の課題達とにらめっこ。
うん、よかった、今日は。
これでよかった。
今回の場合は、これでよかったし、こうするしかなかった。
だからもう、今さら二人のことを考えることなんてない。
今は課題に集中だ。
カリカリカリ
カリ・・カリ・・
カリ・・・・・
・・・・・・
完全に、ペンの動きが止まる。
いや、これはきっと、何かの間違いだ。