(短編)君に微熱
念のためドアにチェーンを付け、鍵を回し、ドアノブをひねる。
「はい・・・?って、え?瞳?なんで?」
「和泉!寒いんだけど、入っていい?」
「えっと・・・どうしたの?雅は?」
「途中まで一緒だったけど、そこのコンビニで別れた」
とりあえず彼女を部屋に上げる。
初めてではないけど、突然すぎて緊張する。
まあ、雅の計らいだろう。
後でメールしとこう。
それと、飲み代も今度返さないと。
「いずみ?」
「ああ、ごめん」
「いつもの私みたいになってるよ、ぼけっとして」
「はは、そうだね。なんか今はちょっと、色々、余裕ない。ごめん。」
ほんと、もう、終わったと思ってたこのタイミングで来るなんて、心臓に悪い。