(短編)君に微熱
水野 瞳
(瞳side)
好きだと言った和泉の目は、真っ直ぐ私を見ていた。
和泉は嘘をつくとき目を反らす、と教えてくれた先刻の雅の言葉を思い出す。
嘘じゃ、ない。
じゃあ、これは夢・・・・?
抱き締められていた腕がほどける。
「何?また考え事?」
いつもより、至近距離でそんなことを訊いてくる。
相変わらず、ずるい。
「あ、もしかして、夢とか思ってる?」
う。
なぜ分かった・・・・
「はは、図星だ、かーわい」
また、平気でそんなこと・・・
いや、平気でもないのか。
だってさっき
私を抱き締めたとき、
和泉、すごく
ドキドキしてた。