実は私、◯◯です!!
会
転入生
~masaki~
「なぁ、なぁ、なぁ、なぁ!今日、転入生くるって!
どんな奴かな?なぁ、聞いてる?!」
「聞いてるって…」
このテンションが高いやつ、湊っていう。
朝からこんなテンションっていうのはしょっちゅうある。
湊は、俺の幼なじみで、家も隣で仲がいい。はず。
え?俺?俺は、将暉。
俺のことは…どうでもいいだろ。
今日は、始業式。
俺たちは、今日から高2になる。
って言っても、そこまでいつもとは変わらない。
けど、湊がいうように、俺たちのクラスに、
転入生が来る。
一人増えようが減ろうが関係ないけど。
「おい。将暉。あれ…」
湊が指差している方向には、少し背の小さい女がいた。
「ん?誰だよ。知り合いか?」
「え?!お前、知らねーの?!あれじゃん!あれ!」
どうやらすごい人らしい。
湊は、芸能界にものすごく詳しい。
ってことは、芸能人か?
なんでここに?
「だからなんだよ。」
「智里ちゃんだよ!小國智里!有名じゃん!
あの歳して、もう、ハリウッドのオファーもきてるんだぜ?!
でも、断ってるらしい。なんか知らねーけど。
…なんでここにいんだ?!」
「…へー。話しかけてみれば?」
「え?!俺1人じゃ無理!将暉も一緒な!」
「えー。ダルい。」
「いいからこーいーよー!」
結局無理やり湊に引っ張られ、一緒に行くはめに。
「よ、よぉ!ど、ど、ど、どうしたの?こんなとこで…」
おいおい、緊張しすぎでしょ。
相手、ビビってんじゃん。
「あのー…。」
女が…小國智里がなんか言おうとしている。
え?何、俺?なんで俺見てんの?湊めっちゃ落ち込んでるし…
おいおい、俺をにらむなって、湊。こいつに言えよ。
この小國智里に。
「…なんすか。俺になんかあります?」
「あ、いえ。その…」
なんだよ。はやく言えっての。
そう思っていたら湊が入ってきた。
「そ、それより、ここの学校に通うの?
なんか分かんないことある?」
「あ、いえ。大丈夫です。友達待ってるんで。」
「そ、そっか!じゃあ、良かった。見かけたらまたよろしく!」
「あ、はい。」
ナイス。
俺、女苦手なんだよね。
なんていうか…わがまま。
でも…結局なんだったんだ?あの…小國智里は?
俺に何が言いたかったんだ?