【短編】愛死テル
私はそっと窓を開けてみる



微かな雨の匂いがした



何故だろう



その瞬間、そっと微笑む自分に気づく



この匂いに確かな思い出があるというわけではないけれど、今この時を迎えたからこそ、私は初めて生を実感できたのかもしれない





どんなに強く願っても、失いたくないと望んでも、時間は決して止まらない



等価値なのかもしれないね



生きることも、また死ぬことも



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