【短編】愛死テル
第二話
―――にわかに激しさを増した雨の音
じめじめとした居心地の悪さに私は目を覚ます
隣にいたはずのケンの姿はもうなかった
いつも決まって「おはよう」と言ってくれたケン
最近はもう、そんな姿すら見れなくなった
不安は人を動かす
そして時に、人を変えるほどの力にもなる
私達は決断した
もっとも恐ろしく、それでいてもっとも単純で簡単な、一つの大きな決断を