Heat haze〜陽炎〜
なのに
突然モト兄は居なくなった

朝起きたら
お母さんに言われた


「基良くんはね、遠くに行っちゃったの。だから、もう会えないのよ。」


促すように優しくて暖かい声でお母さんは言う

「だから、基良くんの事は忘れなさい。」


わずか3歳の私に告げられた言葉


従うことしかできなくて


いつしか
私の記憶から消えていた存在
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