Heat haze〜陽炎〜
人波を抜けて路地のすみに移動した私達
モト兄はそっとつかんでいた手を離した
「…久しぶり。」
あの頃とは変わってしまったモト兄
色も白くて体も痩せてる
それでも
瞳は変わってない
「久しぶり。
大きくなったな。」
モト兄に見つめられて少し恥ずかしい
「モト兄も。少し老けたね?」
ふざけて微笑んだ私にモト兄は初めて笑顔を見せた
「うっせ。
…今はなにやってるんだ?」
「大学生。
モト兄はバンドやってるんでしょ?この前、ライブ見たよ。」
私の言葉にモト兄はジャケットのポケットから一枚の紙切れを出した
「知ってる。リハの時、りょうを見た。」
やっぱり
気付いててくれたんだ
一瞬だけ視線が合ったのは気のせいじゃなかった
「これ、今週末なんだけどライブのチケット。
ツアーの初日。いい席だから時間あったら来いな。」
チケットを手渡すと
「じゃ。」と言ってまた人波に消えていった
チケットには
【Heat haze〜サマーツアー】
とかかれていた
「Heat haze?バンド名だよね…?」
その時
携帯が私を呼んだ
あ!
弘人先輩だぁ!!
慌て携帯を取る
『もしもし?今どこ?
俺、もうカフェにいるよ。』
少し機嫌が悪そうな声
私は慌ててカフェへ引き返した
モト兄はそっとつかんでいた手を離した
「…久しぶり。」
あの頃とは変わってしまったモト兄
色も白くて体も痩せてる
それでも
瞳は変わってない
「久しぶり。
大きくなったな。」
モト兄に見つめられて少し恥ずかしい
「モト兄も。少し老けたね?」
ふざけて微笑んだ私にモト兄は初めて笑顔を見せた
「うっせ。
…今はなにやってるんだ?」
「大学生。
モト兄はバンドやってるんでしょ?この前、ライブ見たよ。」
私の言葉にモト兄はジャケットのポケットから一枚の紙切れを出した
「知ってる。リハの時、りょうを見た。」
やっぱり
気付いててくれたんだ
一瞬だけ視線が合ったのは気のせいじゃなかった
「これ、今週末なんだけどライブのチケット。
ツアーの初日。いい席だから時間あったら来いな。」
チケットを手渡すと
「じゃ。」と言ってまた人波に消えていった
チケットには
【Heat haze〜サマーツアー】
とかかれていた
「Heat haze?バンド名だよね…?」
その時
携帯が私を呼んだ
あ!
弘人先輩だぁ!!
慌て携帯を取る
『もしもし?今どこ?
俺、もうカフェにいるよ。』
少し機嫌が悪そうな声
私は慌ててカフェへ引き返した