Heat haze〜陽炎〜
「よぉ。」


軽く手を上げて言うモト兄に近づいた


髪が汗で濡れている
片手には水の入ったペットボトル


ついさっきまで別人だと思っていた人が目の前で私には話しかけている


「ライブすごかったよ!
お疲れさま。」

興奮冷め遣らぬ私
モト兄にキラキラ輝く瞳で話しかけた



「クスクス…ありがとう。まさか、来るとは思ってなかったよ。」


少し枯れかかった声


「来るよ!来るに決まってるじゃん。モト兄のライブだよ?
それに、今まで出した曲も全部聞いたんだから。」


モト兄を知りたくて
必死でかき集めたHeat hazeは私にはとても大切に思えた
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