Heat haze〜陽炎〜
「あ、私…」

ブー♪


言おうとした言葉を携帯が打ち消した


【着信 弘人先輩】


あっ…

出ようか
どうしようか迷っていると電話は切れた


なぜか…ホッとしている自分がいる


「いいの?電話じゃなかったの?」


モト兄が覗き込む
私は携帯をギュっと握った

「せっかくさそってもらったんだけど…私は帰らなきゃ。
あ、よかったらメアド交換しようよ。」


先輩が電話をかけてきた事に同様を隠せなかった


別に悪いことをしている訳じゃない


でも…何処かで罪悪感が生まれていた


「それならいいけど、俺携帯持ってないから、何かに書いてくれない?」


私はメモ帳に携帯番号とアドレスを書いてモト兄に渡した


「ありがとう。
時間できたら連絡するよ。」


「うん。
それじゃね。」


その場を後にする私にモト兄の視線が刺さった
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