Heat haze〜陽炎〜
ショップを後にして
二人でいろいろな店を見て回る


離れていた時間は埋められない

けど
目の前に広がる今はずっと大切にしまっていたい



「そういえば、モト兄!
こんなに明るい時間から街歩いててもいいの?
ファンに見つかったら大変なことになるんじゃ…。」


今更ながらの私の焦りも気にすることなくモト兄はいう


「俺たちはそんなにメジャーじゃないから。
それに、テレビには一切出てないし…気付いたとしたらかなりのコアなファンしかいない。」


モト兄が眼鏡をかけなおす

「俺のこんな素顔をみてヒナタだって気付く人はそう居ないよ。
見られたって関係ないしね。」


そう言って私の隣を歩くモト兄はHeat hazeのヒナタではなく

ただの
日向基良だった
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