Heat haze〜陽炎〜
本当は

あの日

ライブ会場で会ったときから生まれていた


でも

気かないフリをしてた


見ないようにしていた



だけど


その炎は確実に
少しずつ

私の中で大きくなっていったんだ


そして
初めてモト兄に触れた時…

それは一気に燃え上がった

そして
私を埋め尽くした


気付いた瞬間に溢れた気持ち

あの日からずっとしまい込んでいた気持ち


でも
それを…罪悪感が塞き止める


先輩への気持ち


憧れなんかじゃないって
思っていたんだ


でも本当は自分自身が一番知っていた


ただ
認めたくなくて


自分に言い聞かせていただけ


憧れなんかじゃない…


それを「好き」と勘違いしていた



なんて

今さら…

もっと早く

もっと早く
自分の気持ちと向き合っていれば…


溢れた涙が止まらない


先輩…


私の気持ち聞いてくれますか…―?


そしたら
あなたを傷付けてしまう


そしたら
あなたは私から離れて行きますか…―?


自分自身が一番可愛い


誰にも嫌われたくない


そんな
我が儘な私を好きだと言ってくれたあなたを


傷付ける私は…



最低だ
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