ひまわり
でも教室に戻る気にもなれない。
天気も良いし屋上に上がってみるか。
階段を一段ずつ飛ばして階段を駆け上がる。
屋上へつながる扉を勢いよく開けた。
何に邪魔されることもなく直接届く日光が少し眩しかった。
うちの高校の屋上にはプールが併設されている。
まだ4月なのでプールを授業で使っているわけではないはずなのに
プールに張られた水は透き通る綺麗な水だった。
部活かなんかでつかってるのかな。頭の中でそんな事を巡らせながらプールサイドを歩いた。
ちょうど真ん中辺りで腰を下ろし、上履き、靴下を脱ぎ制服のズボンを膝辺りまでめくり
足を水に浸した。
…思ってた以上に温かい。
もっとずーっと冷たいのかなって思っていた。
すごく気持ち良かった。
そのまま体を後ろに倒し空を見上げた。
雲ひとつない。透き通るような青い空。
しばらく眺めていた。
そこでうとうとし始めたころ
ドアがゆっくりと開く開く音が聞こえた。
体は起こさずに顔だけ向けて確認した。
黒いロングヘアーの華奢な女の子だ。とても整った顔立ちをしている。
上履きに目をむけると
黄色いラインが入っている。
うちの高校では学年によって上履きのラインの色が違う。そして1年生は黄色だ。
…綺麗な子だなぁ
そして女の子はドアのすぐ脇にあるベンチに腰をかけた。
入って来た時からずっと携帯をいじっている。
誰かにメールでも送っているのだろう。
その携帯には少し大きめのひまわりのストラップが付いていた。