ひまわり
ブーブーブーブー
ポケットの中で携帯がバイブで震えている。
着信:ナオキ
「もしもし?もー授業終わったぜ!翼どこいんの?教室いねーぢゃん」
「わりぃわりぃ。今教室行く。」
電話を切り足がまだ濡れていたため靴下を手に持ちかかとをつぶして上履きを履いた。
階段へとつづくドアへと向かいながら
ベンチの方へ目を向ける。
…あれ…泣いてる?
さっきの距離からではわからなかったが涙を拭っている様に見えた。
そして彼女はチラッとこちらに目をむけるとすぐに立ち上がりそそくさとドアの向こうへ姿を消した。
…やっぱり。彼女目を真っ赤に赤らめて泣いていた。