青空の向こうでも
“ピンポーン”
チャイムの音が鳴って私達は顔を見合わせた。
すみれはいたずらっぽく笑いながら私に、
「来たんじゃない?慧斗くん。」
と言った。
私も嬉しくてついつい笑顔でうなずいた。
「それじゃ希沙良、先行ってて。」
「そうする!いってきまーすっ」
私はココアを一気に飲み干してから立ち上がり玄関へ向かった。
“ガチャ”
ドアを開けるとそこには愛しい私の彼氏が笑顔で立っていた。
「おはよ。希沙良。」
「おはよ。慧斗。行こっか。」
「おう。」
私と慧斗は手を繋いで横に並んで歩く。
これも日課だった。
さすがに朝ということもあってお互い何も言葉を出さなかった。
だけど慧斗への愛が心から溢れているので寂しくはなかった。
慧斗は毎日私の歩幅に合わせてくれるので疲れることもなかった。
私はずっとこのままトキが止まればいいのにと思うほど幸せだった。