青空の向こうでも




学校に着いて、教室に入ると誰もあまり登校していなかった。


慧斗とはクラスが違うので話すことはできない。


仕方なく私は席に着いて昨日買ったばかりの小説を読むことにした。




3ページくらいめくった時、一気に教室の空気が明るくなった。


「おっはよーっす!!」


声の主は私の隣の席の男の子。


顔を見なくても声のテンションとイントネーションから笑顔MAXなのが分かるほどのクラスのムードメーカーだった。


「福永、おはよ!」


「朝から元気だね…。」


私は少し顔を向けて苦笑いを返し、また小説に視線を戻す。


「そーいや、来週大会だけど来んの?慧斗の応援。」


急に慧斗の話をふられて少し顔が赤くなるのが自分でわかる。


「う、うん。一応慧斗にも来てって言われてるし、行くつもりだよ?」


「そかそか。俺も頑張んなきゃなー。」


「応援しとくよ。」


「いーよ。福永は慧斗の彼女だから俺なんかの応援しなくても。」


「ん…。わかったー。」


そんな話をしていると先生が教室に入ってきてHRが始まった。

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