〜今、キミに伝えたい〜
ここも、いつも同じ。

愛海は、考えの読めない顔をこくっと縦に小さく動かす。

「わかった」


勇気があったら言えるのかな?『ダメ』って。

それがダメでも、愛海に言えるのかな?『あきのこと、あんまり好きじゃない』って。

言えたらいいのに。

いつだって私は自分の意見が言えなくて。
いつだって私は周りに流されてばかりで。

それで、いつも決まって後悔する。


愛海があきに「いいって」と伝えると、あきは嬉しそうに喜んだ。

「どこで遊ぶー?何時に集合するー?」

と、あたかも自分が皆を誘ったかのように振る舞う。



楓夏は、そんなあきが嫌だった。


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