Golden Apple
驚く程呆気なく年が明けた。
何もせずとも、何をしていようとも、時間というものは過ぎていく。
暖房の前を占拠しながらそれを考えた。
テレビを消して立ち上がる。自室でコートを羽織って、玄関から外に出た。
冬の寒さが肌を突き刺す。
思えばこちら側にきて、もう1ヶ月が経つ。ということは、コウヅカとも1ヶ月間連絡をとっていないことになる。
エレベーターで下まで降りる。そこで、ミカミと出会した。
「明けましておめでとう。何処へ?」
「明けまして。繁華街」
「何か欲しいものでも?」