Golden Apple

ミカミの珍しく口を噤む顔。いや、初めてかもしれない。


「住む所とか、食べるものを貰ってる分際で言えることじゃないけれど。あたしが要るものは自分で揃える」

「……」

「あたしはコウヅカのところに居た時も働いてた」


そう言い終えて、歩き始める。

……それでも未だついて来ている。

あまり気にしないで雑誌を捲った。接客は嫌だから、裏でできるもの。


「何のバイトをやっていたんですか?」


…きたよ、質問。

正月の空気を纏う繁華街。コンビニの前では遅れた人の為なのか、年賀状を売っていた。




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