Golden Apple
今日、タチバナが教室に居ないことをミカミに言うかどうか考える。
そこで、丁度ミヤシタが食堂から帰ってくるのが見えた。一年の階からこちらを少し見上げる。
目があって、すぐに逸らされた。
周りの取り巻きもすぐに空気を察したようで、気味の悪い程静かになる。
教室の方は霊長類園の如く騒がしいのに対して、一瞬ここの階段だけに沈黙が降ったみたいに。
教室へ向かう一行様。
…辞めとこう。
「彼といつから仲が良いんですか?」
その声にミカミの方を見たけれど、視線はこちらに向いていない。
先程トーガの去った、ミヤシタが上ってきた場所を見つめている。