Golden Apple
タチバナに宥められるとは思わなかった。
「俺も殴らねえから」
「ふーん」
「だから…その、な? ミカミのこと無視すんの止めてやれ」
紫煙を吐き出す。つん、と向こうを向く。
本当にムカつく。
あたしが暴走しないようにって、何の為にあたしをこの話に突っ込んだんだって話だっつーの!
あのひ弱男が!
イライラと隣に居るミカミにオーラで伝える。口論で勝てるとは思えないから、オーラで。
それが理由かは分からないけれど、ミカミは煙草を盗らなかった。
今までの鬱憤を晴らすみたいに煙を吐き出していると、リサが嫌そうにこちらを睨む。