Golden Apple








「つかさー、本当にクラギちゃんミカミと何もないの? 男と女が一つ屋根の下に居るのに?」

「なんかその言い方古い。しかもヤケにそこ聞いてくるし」

「中学の時、ミカミはトウガと並ぶくらいの女誑かし野郎だった」

「潔癖症だったんじゃないの?」

「潔癖症になる前」


タチバナの解答に首を傾げる。


「潔癖症ってそんな短時間だったの?」

「中三の秋から、お前が来るまでだから。一年?」

「潔癖症期間かよ」


意味不明だ。と眉を顰めていると、タチバナの色の抜いた髪が冷たい風に晒されたのを見た。

人工的に抜かれたそれは、やはりミカミのとは違う。



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